Junk DNA

元来料理の良否は、素材の良否がものをいうのである。「まずい」素材をうまいものに是正するという料理法は由来発明されていない。   -北大路魯山人

Wednesday, June 28, 2006

怨霊とサラ金の話

田中聡『妖怪と怨霊の日本史』(集英社新書、2002年)読了。結構、読み終えるまでかかったな。剣の霊力って調べる価値があるかもしれん。安徳天皇がヤマタノオロチの生まれ変わりという説話があることは初見だったので、なかなか面白い。草薙の剣を抱いて安徳天皇が海中に沈んだのは、宝剣を竜宮へ還すためだったそうな。源平の時代って丁寧に調べたことがないので、よく知らんのよ。関心がないのもあるけど、腰を据えて調べるつもりはないな。井沢元彦がいう聖徳太子の怨念とかは全然語られていない。まあ、当たり前だが。遠山美都男が陳べているとおり、怨霊化すべきは生駒で憤死した嫡子の山背大兄王だろうし、あるいは斑鳩寺で徹底抗戦しようとしたその子、弓削王だろう。井沢の話をまともに受け取っている学者はほとんどいないようだし、本人は「旧守的な史学」の世界を打破しようとしているつもりでいるようで、それに賛同する在野の歴史好き(要するにシロウトさんたち)が取り巻きになっているだけだが、まあ、水と油のようなもんだわな。彼自身はいい人らしい。講談社からホされた江戸川賞作家、森雅裕が『推理小説常習犯』(KKベストセラーズ、1996年)に「気配りの人」と書かれている。雨男でもあるらしい。彼の所説とは何の関係もないが。
そういや、89ページに近江の多賀神社にまつわる『日本霊異記』の話が出てくる。本書には触れられていないが、古事記によれば多賀神社はイザナギノミコトが祀られているはず。そんな由緒正しき神社であっても、神仏習合がなされたということの方が驚きじゃなかろうかと思うわけだ。

いわゆるグレーゾーン金利がなくなる。それがために、地方の中小消費者金融業者が廃業を余儀なくされ、どんどんその数を減らしているらしい。
弁護士らは業界の維持より消費者の生活を守れと言っているが、どんなもんだろうな。業界がいうように、悪質なヤミ金が増加し、そっちに流れるカモたちも多いだろう。結局、誰を守っているのか解らない状態になる。
そのことを指摘しているのが、大久保権八『サラ金道』(講談社α文庫、2004年)である。一読されたい。
サラ金にすがるしかない連中に、銀行や「低利」の大手サラ金が融資してくれるのだろうか。多重債務者に銀行は心優しくゼニを貸してくれるのかい? ヤミ金は暴力団の資金源にもなっている。多重債務者を絞れるだけ絞って高利をふんだくる。でも、借りるあてのない彼らがすがる先はヤミ金しかないのである。本来、多少高利であっても貸してくれた中小の業者はもうそこにいない。これをどうするのだ。
パチンコ依存症という「精神病」がある。そのためにサラ金から多額の借金を重ね、借金は雪達磨式に膨れ上がり、やがてヤミ金の「お誘い」に乗り、「大暴走」する。パチンコで身を持ち崩す連中は数多いのだ。パチンコからヤミ金へ一直線という人もいる。となれば、借金の発生要因であるパチンコ業界に何らかの措置も行わず、サラ金を締めつければ、溢れ返った水は低い方(つまりはヤミ金)へ流れ出すことは瞭然である。構造を変えない限り、事態は変わらない。
借りる方が悪いというのも正論である。しかし、コイズミ首相や竹中”悪徳商法の広告塔”総務相の如く、貧乏人からカネを搾り取る政策が世間で大いに持て囃される現状において、生活費の不足分を借金で補おうとせざるを得ない人たちも大勢出てくる。これでは、ヤミ金の膨張を国家が支援しているようなものだ。
そういう政府の貧乏人切捨て政策を声高に容認しているのが、意外にも2ちゃんねるにおけるニートたちなのである。切捨てられるだろう人間たちが、その切捨て政策を容認するというアイロニィ。いったいどういうことなのだろうと思うが、まあ、靖国問題などで勇ましい発言を繰り返し、対中、対韓外交に屈していない姿にコイズミ首相がカッコよく見えるだけだろうし(米国に対するBSE問題に絡む牛肉輸入の解禁についての弱腰はどうでもいいようだが)、ナルシシズムもくすぐるだろうしね。
でも、結局、ニートは要らないんだよね、コイズミ首相らにしてみたら。どうせ、ヤミ金のお世話になる連中だろうし。

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