良心に時効はない
最悪の事態である。パロマ湯沸かし器死亡事故である。
事件が明るみに出たのは、7月14日のこと。排気ファンの作動不良が原因とみられる一酸化炭素中毒事故が1985年以降、17件発生し、うち15人が死亡していることを、経済産業省が公表したのである。経産省はすでにそれぞれの事故についてガス事業者から報告を受けていたが、7月に入って警視庁から「パロマ製品で事故が起きている」として情報提供を求められるまで対策をとっていなかったというお粗末ぶりだった。2005年11月まで一酸化炭素中毒で死者15人、重軽傷19人を出している。パロマは1991年に湯沸かし器の不正改造による事故の発生を把握したと説明していたが、実は1988年の段階で湯沸かし器の不完全燃焼を防ぐ制御装置を改造していたことを把握し、1988年5月24日付で全国の営業所に注意を呼びかける文書を配布したことが、7月16日明らかになった。つまり、事故が発生して3年後、ようやく問題にパロマは気づいていたのである。ところが、これを等閑視し、放置した結果、15人の尊い命が犠牲になったわけだ。17日になってさらに2人の新たな犠牲者が判明し、死者は17人となっている。
パロマ側の「釈明」はこのようになっている。パロマの湯沸かし器は、安全装置が作動すると、ガスが点火してもすぐに消えてしまうため、異常時に遮断される電流が常時流れるように改造されていた。こうした工作は、業界で「短絡」と呼ばれていたという。ユーザ側もこの改造を求めていた。死亡事故が多発する改造だとすれば、誰もこのような短絡方法を求めるはずがない。というより、この問題を技術的に解決していたならば、短絡方法を行なう必要はなかったのである。20年以上も放置し続けたパロマの製造物責任は重いのである。一概に販売業者に責任を負わせるわけにもいかないし、責任を回避しようとするパロマの経営陣は最低である。その最低な表現が上のPDFファイルにも表れている。亡くなられた方々への哀悼の意がまったくない。
挙げ句の果てが、釈明より3年も前に事態に気づいていたことを、社長の記者会見からわずか2日後にバレているのだ。
「”良心”に基づく安全性と省エネ性の追求」と当社はホームページで謳っている。
良心に時効はないし、あってはならない。これまで事故で死亡された方々のご遺族と裁判で係争を続けてきたようだが、全面的に非を認め、素直に謝罪し、補償に応ずるべきである。湯沸かし器が正常に作動しないからこそ、短絡に走ったのだ。技術的に問題がないのではない。社長の小林弘明が最初の記者会見で行なった主張は、僅か数日ですべて瓦解してしまった。それ自体、惨めである(まあ、今年社長に就任したばかりの小林弘明に全責任を負わすのもアレだが、創業者一族だしねえ・・・)。
「1911年の創業以来、パロマが一貫してこだわり続けてきたのは、なによりも、まず「安全」を優先した製品をお客さまにお届けすること」・・・・・・どうか、ホームページの会社案内からこの一文を削除していただきたい。少なくとも、それがご遺族に対する良心ある誠意のひとつというものだろう。


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